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2008/08/17 (Sun) 11:00
『童貞。をプロデュース』公開1周年記念オールナイトに寄せて。

今回のオールナイト上映を決めたのは昨年の「童貞。をプロデュース」の興行が一息ついた07年末。上映に協力して下さった皆さんと遅めの打ち上げをしていた時にシネマロサ支配人の勝村さんが「一周年をやりましょう」と言ってくれたから。最初の上映劇場となっただけでなく、作品のクライマックスの舞台ともなったシネマロサの地下で「童貞。」は生まれ、育った。僕は北海道から沖縄まで国内を巡回し、それらの地で新たな出会いを得られただけでなく、「戻る」という機会を頂けたことが嬉しかった。今、劇場で上映されるほとんどの作品がDVD、テレビ放送といった展開になるが、インディペンデントとして生まれ、育った「童貞。」はロサのスクリーンが聖地。また「童貞。」の上映が成功したのは口コミや何度も通って下さった観客の力によるものだ。だからこそ勝村さんから凱旋の話が来た時は「もう一度あのお客さんたちと見たい」と思った。

皆さんに「ただいま」って挨拶をし、あれから一年の報告をして(「童貞。をプロファイル」の出版とか「DMC メイキング」とかいろいろあったなぁ)、新しい観客も一緒に「童貞。」と僕が選んだ映画を見て、朝を迎える…あぁ、映画に生きて本当によかった。

その為に考えたラインナップが「クローズZERO」「ガメラ3」。けど宣伝担当のナヲイさんから「松江さん、さっぱり分かんないっす」と聞かれたのでちょっと解説。共通点は雨の中での決闘と中途半端な(けど気持ちいい)ラスト。それ以外の「童貞」的ポイントを以下に。

「クローズZERO」の世界に女子はいらない。ヒロイン黒木メイサは人質以上でも以下でもないし。不良男子の世界では女子の役割なんてそんなもの。イケメン揃いのあり得ない世界だが、彼らの向かう最高値が「喧嘩上等、四六死苦」である以上、そこは永遠の中坊。性欲を暴力で発散する現役童貞。けどレイプ、流産、難病が流行る「恋空」の世界よりよっぽど健全だと思う。僕が撮った「童貞。」は半ひきこもり、アイドルオタクだけど、こんな奴らの気持ちは分かる。ヤリチンの不良は悪役ってのもイイ。主人公はストイックで一途で、憧れの女子は優等生(そういう意味では「ワルボロ」も正しかった)。小栗旬はいつだって無表情で通していたが、その裏には「あー、恋してぇ」と思っていたに違いない。その証拠が合コンエピソードの純さ。まさか女子を餌に不良グループを作るなんて。しかもけっこうな尺を取ってまで。2時間半近くもある本作だが、ストーリーを聞いただけでは90分で済む話。ダラダラと延ばしているのはそんな「童貞っぽい描写」の多くだったが、僕は好き。いいぞ、三池監督。が、最高だったのはやべきょうすけ。小栗旬に惚れ込んで遅れた青春を取り戻そうとする姿に「何もそこまで」と心配したが、この「かつて」を誰かに託す姿に共感してしまったのには僕が「童貞。」で現役の童貞たちに叱咤激励、遠隔操作、嘘を交えて「演出」したのと似ているから。やべは死の間際に小栗旬へ「跳べ!」と手紙を送ったが、僕は「童貞。」で彼らにメッセージを込めた。そうとうなおせっかいなんだろうけど、僕はその方法しか出来なかった。だが、「クローズZERO」のおせっかいはちゃんと後輩を漢にした。

さすがやべきょうすけ、叫び声に説得力のあるセンパイ。昨年最も気持ちのイイ「音」だったな。

「ガメラ3」を見たのは1999年3月。ノストラダムスの予言がド外れする前、僕は「あんにょんキムチ」が完成した頃だけど未だ童貞、学内では評価をされてはいたけど、そんなんよりも一緒に手をつないでくれるカノジョが欲しかった頃(22歳)。そんな僕にとって「ガメラ」はお子様ランチとしか思えない「平成ゴジラ」よりも遥かに期待に応えてくれるシリーズ。最初の渋谷崩壊が素晴らしい。女子高生、カップル、AVのスカウト、サラリーマンが吹っ飛ばされた時、心が踊った。「何もかも壊したい」とは思春期の誰もが思うであろう願望。そんな気持ちを代弁してくれるのが僕にとってのヒーローだ。シュワルツェネッガー、ジャッキー・チェン、ビートたけしといった人間たちに拮抗出来る人間以外の生物が平成ガメラ。童貞の破壊願望を叶えてくれる地上最強の亀。だからこそヤツと前田愛の関係が切ない。彼女は家族を殺した亀野郎を逆恨み。復讐を誓う愛はなんと怪獣イリスを育てる。こいつは一見、可愛らしい亀なのだが、次第に頭の部分が異常発達し、それはもはや亀頭…というかぶちゃけ男性器にしか見えない。そんなヤツがムクムクとでっかくなると前田愛はシャツの第一ボタンを外し、「イリス、熱いよ…」とうっとりした表情でギュッと抱かれる。作り手、ゼッタイ分かってやってるハズ。いいなぁ、フィクションって。完全形体となったヤツはガメラと京都で決着。壊したモノの巻き添えにしてしまった少女の怒りをガメラはただ引き受ける。土砂降りの雨の中で。その姿にかつての僕は涙した。ガメラは少女の痛みを引き受け、雨の京都に立つ。負け戦に向かうその姿がなんだか世紀末な時代性にぴったりで、911以後の世界でも「平気ですよー」と強がれるのは本作を見たから…だと思う。

そういえば庵野秀明監督によるメイキングビデオ「GAMERA1999」では林由美香さんが「ガメラってでっかい亀でしょ」と言っていたような気がする(しばらく見返してないので記憶が曖昧だけど)。由美香さんは「3」をどう見たのかな。「わかんなーい」だったのかな。

いずれにせよガメラの叫び声で劇場を出、朝日を浴びるのも悪くないと思う。

こんな夏休みの思い出、いかがでしょう?

劇場で待っています。

松江哲明

→|オールナイト詳細はこちら!
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